最近仕事で運用設計業務を任せられることになりました。現状行われている業務内容を踏まえつつ、ベストプラクティスの運用はどういったものかを資料に起こすという作業です。
社内の運用設計資料は基本ITILの資料をベースに作られているので、これを機にITILファンデーション資格を取ってしまおうと半ば思いつきで受験することにしました。
ITILって名前は聞いたことがありましたが、実際細かい出題範囲や受験方法などは知らなかったのでこの際調べてみました。
ITILとは?
読み方はアイティルです。
そもそもITILとはなんでしょうか。一言でいうと「ITサービスマネジメントのベストプラクティスを集大成した規格」です。
もっとわかりやすく言うと、「システム運用するときには、ITILを参考にしておけば割りと上手くいくよ」ということです。
システムを企画・設計・開発・運用するライフサイクルの中で一番費用がかかるのは運用です。7,8割の費用が運用にかかるので、運用フェーズを効率化し品質を向上するために、ベストプラクティスを参考にできるITILが必要となってくるのです。
名前の由来ですが、Infomatione Technology Infrastructure Libraryの頭文字を取ってITILと名付けられました。英国政府がシステム運用・管理についてガイドラインを体系的にまとめたものがもとになっています。
ITILファンデーションの資格試験情報
試験の出題範囲
ITILファンデーションの出題範囲は簡単に言うと、ITサービスマネジメントとITILの基本的な知識を浅く広く問うものです。
詳細な分野は以下の項目です。
- サービスストラテジ
- サービスデザイン
- サービストランジション
- サービスオペレーション
- 継続的なサービス
試験詳細
ITILファンデーションの試験時間は60分間です。出題数は40問なので、1問1分半で解かなければならない計算です。全てPC画面で解答するCBT方式になります。4つの選択肢から解答を1つ選ぶ単一選択式です。合格ラインは65%なので、やや易しめです。また、ITILファンデーションの出題範囲は、ITサービスマネジメントの基礎的な内容なので、しっかり勉強すれば高い確率で合格できます。
ITILファンデーションの合格率は80%以上と言われています。正確なソースは見つけられませんでしたが、1週間〜2週間で受験する人が多く中には2日しか勉強していないというツワモノもいたので、試験自体は難しいものではないでしょう。
受験料は20,160円(税込)と高額です。合格率からしても絶対落ちたくない金額です。
ITILファンデーションのメリット
ITILファンデーション資格を取得することで、ITILが定義する基本的な概念や用語を理解していることをアピールできます。
ITILファンデーションの知識があれば、ITの現場において、エンジニアや顧客とITILの知識をもとに問題なく意思疎通ができます。
この資格自体は持っているだけで「素晴らしい!」と思ってもらえるような代物ではありませんが、「よく勉強しているな」「意欲があるな」という印象をあたえることができるので、転職や昇進の際に有利に働くこともあります。
オススメ書籍・参考書
ITILファンデーションで一番人気の参考書が通称【黄本】です。
黄本は「これさえやっておけば大丈夫」という王道の参考書で、出題範囲をかなりカバーできるようです。
模擬試験・シュミレーション
事前の試験シュミレーションとしては、無料de試験というサイトがおすすめです。試験時間・問題数も本番と同じ60分40問。ITILファンデーションのシラバスに準拠した150問の問題からランダムで40問出題されます。ランダムで選択肢が変わるので、本番前の仕上げには非常に役立ちます。
採点機能もあり解答も表示してくれますが、解説がないので参考書も併せて確認するようにしましょう。
ちなみにスマホ版もあります。10問ずつの出題で、電車内やスキマ時間などにこなすのに最適です。
模擬試験は常に80%以上取れるまで繰り返しましょう。受験代も高額ですので、必ず一回で受かるように準備しておきましょう。できれば85%はほしいところ。90%あれば完璧です。
試験の申込方法
ピアソンかプロメトリックの予約サイトから申し込みます。
まず会場を選び、その会場が営業している試験開催日程を確認します。
ITILファンデーションの上位資格
ファンデーションは入門的な位置づけなので、プロフェッショナルを目指すのであれば、さらに上位の資格を取得する必要があります。上位の資格を取得するには、下位資格の取得が必要になるので、どんな人でもまずはファンデーションから始めることになります。
より深く勉強していく人は以下の資格を目指すとよいでしょう。
・インターメディエイト
中級者向けの資格。エキスパートへの中間地点としての位置づけです。ITILサービスライフサイクルとITILサービスケイパビリティのいずれかの認定教育コースを学んだ上で、試験を受験し合格することで取得できます。
・エキスパート
上級者向けの資格。実践的な技能があることを証明できます。
・マスター
最上位の資格。スペシャリストとしてITILについての執筆や講演の活動が認められる。
まとめ
いかがでしたか。マスターまで取るには会社のバックアップなどがないと費用的にも期間的にも厳しいと思います。まずは業務で恥ずかしくない程度の知識を得たいということでしたらITILファンデーションを受験することをオススメします。